2016年12月24日土曜日

Kamyu Kamyu's J-POP Songs Of The Year 2016


今年で3年目となる邦楽ソング・ランキング。
シングル部門の口調は疲れるので、こっちはいつもの感じのテンションで。
そんなわけで、かみゅかみゅが選んだ20(24)曲はこれだ!!




20位 AKB48 - ハイテンション



w-inds.のブギウギは早すぎて遅すぎたのだ・・・・・。


19位 GLIM SPANKY - 怒りをくれよ



ボーカルも、音楽スタイルもブルージーだけどゴリゴリで新鮮でいいけど、この歌詞は確実に5年後後悔する。


18位 OKAMOTO'S - BROTHER



日本人が好きなインディー・ロックの枠組みに忠実な曲。


17位 東京スカパラダイスオーケストラ - 嘘をつく唇



片平里菜本人の曲はなかなか渋い仕上がりなんで残念なんですが、この曲でのボーカルの脱力感はなかなか最高。


16位 Perfume - FLASH



こんな感じの歌詞も曲もすでにあった気がするけど、「ちはやふる」ですべて相殺された。


15位 My Little Lover - ターミナル



(曲のクオリティーも、akkoの微妙な歌唱力も)変わらないこと。それが一番大事。


14位 水曜日のカンパネラ - ツチノコ



信用できないけど、これ”は”たしかによくできてますね。なんか蹴り飛ばしたくなるけど。


13位 SKY-HI & SALU - Sleep Walking



アンビエントHIP-HOP、日本語ラップでも全然イケるじゃん。ちょっとトレンド的には流行遅れになりつつあるかもしれないど、これが聞けて良かった。


12位 三浦大知 - Cry & Fight



たしかにダンスはすごいし、こんな難易度の高い曲を踊りながら歌えるのもすごいし。曲も確かにダンス・ミュージックという観点からみると、すごくよくできてると思うんですけど、いまここまで売れてきたからこそ、そして世界的なトレンドを考えても、R&Bっぽさをそろそろ取り戻してもいいと思うんですが・・・。


11位 SEKAI NO OWARI - Hey Ho



ゴル子がガチギレした元凶でもあるバンドなので←、苦手意識あったんですが、最近はむしろこう単純明快に「ビッグになる」「社会的メッセージを発信する」っていう本人たちの意識を口だけじゃなくて、ちゃんと音楽で表現してるのがすごいなって思うようになってきました。それに僕、Fukaseのボーカルって天才的だと思うんですよね。線が細いって思われがちだけど、この独特な琴線に触れるニュアンスの出し方が個性的で鳥肌立つんですよね。まさに「日本のジャスティン・ビーバー」ですね。マジで。


10位 HARUHI - ひずみ



映画の予告でやたら聞かされたのもあるけど・・・。17歳でこの表現力は、さすがD.N.A・・・。


09位 スピッツ - みなと



こんな地味な名曲をいまだに作れるなんて天才ですね。単純にすごい。


08位 Suchmos - MINT



ボーカルの名前YONCEなんですけど、ビヨ様の生まれ変わりですか・・・?あっ、天界の遣いはリタヲラの方か(コメントになってない)。カッコいいカッコいい言われてるけど、正直ダサいと思うで。歌詞が上から目線でイラっと来るし。まぁその塩梅がクールにキマッたのがこの曲だけど。


07位 BoA - Lookbook



若作り・・・。「私らしく生きなきゃもったいないじゃナイ?」←わかる。


06位 Aimer - 蝶々結び



Aimerのことは、昨年の"Brave Shine"あたりから、「曲がアニメ的すぎるけど、めちゃくちゃ優れたシンガーだなぁ」って思ってたんですけど、今年に入ってからワンオクのTakaが提供だのなんだのと注目される存在になってましたね。これはRADWIMPSの野田さんの提供曲。「ぜんぜんぜん・・・」の一億倍いい曲でよかった。やっぱ歌うまいって重要だよなぁ。


05位 欅坂46 - サイレントマジョリティー



「似たような服を着て似たような表情で」って自虐・・・?とツッコむのもためらわれるくらいよくできてる曲なので困りますね・・・。社会的なメッセージがなんちゃらこうちゃら言われてるのは、「正直言わされてる感強すぎだし、綺麗ごと言ってるだけ」感があるのが危ない感じはしますが、J-POPらしいアイドルソングで好きです。


04位 KANDYTOWN - R.T.N.



世田谷出身の16人組で、ソロで皆さん結構活躍してるらしいですが、今年ついにメジャーデビューアルバムが出たと。このトラックはすごいですね・・・。レイバックな感じなのに全然古臭くなくてむしろ先鋭的だし。ラップもかっこいいし。


03位 清水翔太 - Damage
   清水翔太 - My Boo



昨年の清水翔太はなんかバラードばっかで残念だなぁなんて正直思ってたんですけど、今年の覚醒っぷりはすごかったですね。本来R&Bとかゴスペルをルーツに持っててめちゃくちゃ歌えるのに、一般層にウケるポップソングも起用に書けるっていう、それが器用貧乏な感じにもなっているのかなぁって思ってたんですけど、本人はそれが武器だってちゃんとわかってるんですよね。やっぱアーティストは賢いんだよね。"Damage"はHIP-HOPなノリのリズム感で、声にもエフェクトをかけてR&B色強いメロを聞かせるんだけど、切ないJ-POPの王道感を出しててあまりにもよくできてるので、驚きましたね。一方の"My Boo"は結構バズってるみたいですね。個人的には"My Boo"って言ったら、Ghost Town DJs!Usher & Alicia Keys!ってなるんですが、そこらへん意識してるんですかね← ラップが今トレンドっぽくなってる流れにうまくノリつつすごくキャッチーに聞かせてて「巧いな」って思わせます。やっぱ。


02位 雨のパレード - You
   雨のパレード - Tokyo



いいバンドですよね、雨のパレード。だってこんなアプローチができる新人バンドって、いま日本中見渡しても彼らくらいしかいなくない?基本的に彼ら(というかボーカルの福永くん)の洋楽に対する嗅覚がすごく尖ってて現代的なのには感心します。ソウルやファンクを基調にしているSuchmosがやたら懐古主義と”上から目線”を見せつけてくるのに対して(笑)、彼らの場合はFrank OceanやRhyeみたいないわゆる「2010年代以降のR&B」の美しい部分、それはすっと耳になじむメロディーラインであったり、ちょっと変だと思わせる幻想的なトラックの作り方だったりを、まるで自分の隣で歌ってくれてるような温度感で、あくまでJ-POPとして語り掛けてくれるところがすごく好きです。あと歌詞もよく書けてますよね。日本語がスッと入ってくるのに、芯がしっかりしているというか。それでいて押しつけがましくないっていう絶妙なバランス感。何度でも言うけど、いいバンドだなぁ。


01位 宇多田ヒカル - 真夏の通り雨
   宇多田ヒカル - 二時間だけのバカンス feat. 椎名林檎
   宇多田ヒカル - 花束を君に



この3曲はどれも大好きなんです。だけどあえて語らせて。

ハッキリ言って、宇多田ヒカルの楽曲が世界的に受け入れられるようになったとは、僕は思ってません。「宇多田の最新作"Fantome"が全米6位を記録」みたいな記事も頻繁に出回りましたが、誤解を生む記事は今後本当に売れたアーティストが出てきたときに、変な勘違いを生む可能性があるのでやめたほうがいいと思います。だってBillboard誌では、「"Fantome"のアメリカでの週間セールスは3500枚」って明記されてますし、正直iTunes Chart上で何か不正な操作が行われてたって見方のほうが正しい気がします。残念ながら。BABYMETALとかぱみゅぱみゅは確かに大きなインパクトを与えることには成功してるかもしれないけど、あくまでミュージシャン気質の宇多田ヒカルの場合は、音楽的に突然評価されるようになったとは思えないし。

強いて言えば、アメリカ人的には「宇多田ヒカルの英語の歌詞は幼い」と言われてるみたいだし、海外進出に向けてダッグを組んだStarGateやTimbalandといった売れっ子プロデューサーとのコラボはことごとく微妙な結果に終わってるので、この日本語詞の日本的なアルバムが新鮮に映る可能性はあるかもしれませんけど、それはあまりに一義的な解釈過ぎるかと。そんな都合よくいきません。

でも僕が今回ここで言いたいのはそんなデータ上の屁理屈ではないのです。日本人でよかった。日本が誇る本物の天才宇多田ヒカルが日本語で歌う楽曲の奥深さを理解できる日本人でよかった、と本気で思うわけです。

1998年12月に宇多田ヒカルはデビューしてるわけで、1994年生まれの僕にとっては、何が何だかわかんなくても、宇多田ヒカルはセンセーション的なすごい存在だという意識を植え付けられてここまで生きてきたわけです。それは、洋楽を聞くようになっても変わらずというか、洋楽を聞くようになってからいろいろ新たな発見も生まれてくるわけで、やはり特別な存在なんですよね。

そんな彼女が人間活動にいつの間にか突入し、あれよという間にこれが8年ぶりの新作と。彼女的には「日本語の唄」を歌いたかったとおっしゃってた通り、やっぱこれまでとは趣向が全く違うアルバムですよね。R&B的な憂を帯びた複雑なメロディーというよりは、J-POP的なわかりやすいメロディーラインとコード進行が中心で、サウンド的には最近のアンビエントなインディー・ロックぽいものを取り入れたり、エレクトロポップ調だったりとまぁ最近の世界のポップシーンを追いかけてれば正直驚くようなものでもないかと。

でもだからこそ、その研ぎ澄まされたシンプルな世界観の中に日本語の歌詞がズンと胸を突き刺してくるし、彼女の温かみが増してまっすぐ伸びるようになったボーカルが心を揺れ動かしてくれるものになっていると思うんですよね。日本語は一音に一文字しか乗せられないこそ、いかにシンプルな言葉で、人の想像力を掻き立てることができるかっていうのに挑戦してもいる感じで。母親の死が奥底のテーマにあると言われていますが、「真夏の通り雨」の歌詞を見てみても、単語自体は平易な言葉を中心に使ってて、一文はそれぞれわかりやすくできているのに、いろいろな解釈ができる表現をあえて使っているのかなと。これが毎日ニュースの終わりに流れるなんて本当にすごいなぁって思いますが(笑)。この淡々とした世界観の中で表現される喪失の感情は今回のアルバムの中でもハイライトという感じがしました。

「二時間だけのバカンス」は、なんとも粋な曲ですよね。椎名林檎さんの声の使い方というかと息の使い方というか、ボーカルが神業なのがまず耳を引きますが。シンプルな曲と見せかけて、かなり高いシンセかなんかの音が、絶妙に鳴っててトラックも面白いんですよね。歌詞はネットで検索したら、いろんな解釈がされてて「みんな宇多田ヒカル好きなんだなぁ~」って感心しました笑。

「花束を君に」はこんな歌謡曲調で、しかも朝ドラの主題歌で「死」をテーマに歌うのはすごいですよね。しかもAメロ一発目から「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」ってこんな名フレーズを持ってくるなんてユーミンのようで。

なんかいろいろ語ってたら収拾できなくなってきましたが(笑)、これはJ-POPとして歴史に残る名曲・名盤にはなると思いますが、それは国際基準での感覚ではなく日本人的な感覚での話にはなってくるかなぁとは思います。古臭くなってるわけでは決してなく、最新の音楽シーンに対する嗅覚は常に張り巡らせてきた感じが伝わっては来るのですが、あえて新しいことをしようとはしていないんだなぁって思いました。だからこそ、「記憶」に残るアルバム・楽曲を目指したってとこなのかな。まぁこれだけ語らせてしまうのも宇多田ヒカルのすごさですね。




0 件のコメント:

コメントを投稿