2016年10月3日月曜日

#27 Ben E. King - Stand by Me (1961)



日本でも知名度の高い曲ですね。"Stand by Me"は、アメリカのシンガー・ソングライターBen E. Kingの楽曲。Ben E. King自身とJerry LeiberMike Stollerとの共作曲。


Ben E. Kingによると、この曲のタイトルは、"Lord Stand be Me"というSam Cookeによる黒人霊歌的な作品から影響を受け、タイトルもそこからの引用であると語っています。
この黒人霊歌というのが、Johnnie Taylorがリードボールを務め、The Soul Stirrersによって歌われていたものでした。
"Stand by Me"は数多くのアーティストにこれまで歌われてきており、400以上の音源が存在しているとも言われています。また1986年公開の同名映画『スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)』のサウンドトラックにも収録されていることでも有名ですね。

2012年にこの曲のロイヤリティーが1700万ポンドを達成したと推定されており、その時点でこれまでで最も高い収入を得た曲の6位にランクインしています。ロイヤリティーの50%はBen E. King自身に支払われていると言われています。

2015年に、Ben E. Kingのオリジナル・バージョンが、アメリカ議会図書館のNational Recording Registry(国家保存重要録音登録制度台帳)に、「文化的にも歴史的にも、そして芸術的にも重要である」として登録されています。
これはBen E. Kingの死からほんの5週間前の出来事でした。その年には、彼の死を受けてThe Driftersがこの曲をカバーし、彼へのトリビュートを捧げています。

ドキュメンタリー映像作品『ヒストリー・オブ・ロックンロール"History of Rock 'n' Roll"』の中で、Ben E. Kingは当初この曲を自分がレコーディングするつもりはなかったことを明らかにしています。
彼は元々この曲をThe Driftersに提供するために作ったのですが、レコーディングをThe Drifters側が見送ったそう。そして、プロデューサーのJerry LeiberとMike Stollerとのセッションの際に、他にもっと曲があるか尋ねられて、この曲をピアノの前で歌ったところ、その曲を彼らが気に入り、レコーディングするためにスタジオ・ミュージシャンを呼び戻した語っています。

一方で、プロデューサーのMike Stollerが異なる風な回想をしています。

「オフィスに着いたら、JerryとBenが新曲のためのリリックの制作に取り掛かっていたのを覚えてるよ。Ben E. Kingはメロディーの最初の部分のアイデアがあって、それをアカペラで歌っていたんだ。それで僕はピアノのそばに行き、ハーモニーを作り上げていったんだ。ベース・ラインを発展させていったらこの曲を象徴するものになったんだよ。それでBenとJerryはすぐにリリックを書き終わってね・・・」

他のインタビューでも、Mike Stollerは次のように語っています。

「Ben E. Kingには曲の最初の部分のアイデアがあったんだ。リリックと音楽どっちもね。それで、彼はJerryと一緒にリリックに取り掛かり、曲に色んな要素を加えていったんだ。特にあのベースラインとかね。"Lord Stand By Me"ってゴスペル・ソングを、ある程度ベースにしているんだ。2人はあの曲に感化されたんだと思う。Benにはもちろん、教会音楽の確固としたバックグラウンドがあったしね。彼が曲の50%を書いて、Jerryと僕が25%ずつを書いたんだ。」

「僕がオフィスに入ると、JerryとBenはリリックを書く作業をしていたんだ。2人はオフィスにある古いオークス製のデスクに座っててね。Jerryはデスクの後ろに座って、Benは机の上に座っていた。彼らは顔を上げて、曲を書いてるって言ったんだ。それで僕は「その曲を、聴かせてくれよ」って言った…。すると、Benがアカペラでこの曲を歌い始めたんだ。僕はアップライト・ピアノのそばに向かって、彼が歌っているメロディーのコード進行を発見した。それが、Aのキーだったんだ。それで僕はベースラインを作った。Jerryは言ったよ。『お前。よくやったな!』って。僕たちは(曲作りの)出発点として、このベースのパターンを使ったよ。その後、Stanley Applebaumによるストリング・アレンジをベース・ラインに使ったんだ。」

この曲に関わっているパフォーマーとして、サックス担当のRomeo Penque、ピアノのErnie Hayes、ギターのAl CaiolaとCharles McCracken、コントラバスのLloyd Trotman、パーカッションのPhil Kraus、ドラムのGary Chester、そして多くのコーラス隊とストリングス隊がいます。ソングライティングには、Ben E. King自身と、Jerry LeiberとMike StollerのペンネームElmo Glickがクレジットされています。

この曲はR&Bチャート1位を獲得、全米チャートでも2度トップ10入りするヒットを記録しています。1961年に4位まで上昇するヒットになり、1986年に同名映画のテーマソングとしてこの曲が使われた際に再リリースされ、最高位9位を記録しています。全英チャートでも1987年に再リリースされた際に最高位1位を記録しています。初めにイギリスでリリースされた際の最高位は27位でした。

この曲がシングルとしてリリースされてからの2年間は、どのアルバムにも収録されることはなく、Ben E. King自身のアルバム"Don't Play That Song!"に初めて収録されています。

"Stand by Me"はRolling Stone誌による"500 Greatest Songs of All Time"のリストの122位にランクインしている他、BMIによる20世紀に最もパフォーマンスされた楽曲4位に選ばれており、約700万回のパフォーマンスがあったとされています。

50進行と呼ばれているコード進行をこの曲では採用しているのですが、この曲のヒット後、"Stand by Me"進行とも呼ばれているそうです。(ドゥーワップ進行とも呼ばれていて、The Policeの"Every Breath You  Take"なんかもこのコード進行だそう)

これだけ影響力がある曲なので、様々なアーティストがカバーやサンプリングしています。
一番有名なのは、懐かしのSean Kingstonのデビュー・シングルで全米No.1ヒットとなった"Beautiful Girls"で、ほぼ丸使いされているのが有名ですね。



Miley Cyrusの2013年リリースの通算4作目のアルバム"Bangerz"に収録されているFutureとのデュエット曲"My Darlin'"でもサンプリングされています。この曲はMike Will Made Itがプロデュースを務めてる他、Jeremihもソングライターとして参加しています。





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