2016年9月25日日曜日

#28 Stevie Wonder - I Was Made To Love Her (1967)




"I Was Made To Love Her"は1967年のヒットシングルで、アメリカのソウル・ミュージシャンStevie Wonderがレコーディングした曲。モータウンのタムラ・レーベルからのリリースになりました。


この曲は当時16歳であったStevie Wonder自身と、彼の母親であるLula Mae HardawaySylvia Moy、プロデューサーのHenry Cosbyがソングライティングを手掛けており、Stevie Wonderの1967年のアルバム"I Was Made to Love Her"にも収録されています。
シングルとしてリリースされ、Billboardのポップ・シングル・チャートで1967年7月に最高位2位を記録しており、The Doorsの"Light My Fire"に首位を阻まれています。また全米のHot Rhythm & Blues Singlesチャートでは4週連続1位を記録しました。さらに、全英チャートでは最高位5位を記録しています。
しかし、カナダやオーストラリアといった国々ではこの曲はリリースされなかったため、他国のチャートでは成功を収めていません。

1968年のインタビューで、自身にとって最も印象に残っている曲はどれかを尋ねられた際、Stevieは"I Was Made To Love Her"を挙げており、「それはこの曲が真実の歌だからだ。」と答えています。
この曲のイントロでStevieはハーモニカのソロを披露しています。また、ブリッジ部分のあとにはストリングスを使用している他、オープニングとヴァース全体で繰り返し、エレクトロニック・ギター・シタールを用いています。
リリックの最後の一節である"You know Stevie ain't gonna leave her"はStevieによるアドリブであることを、自身が認めています。

ちょっとマイナーかもしれないですが、Jazmine Sullivanのデビュー・アルバム"Fearless"に収録されている"Fear"という曲に、この"I Was Made To Love Her"の印象的な「へーいへーいへーい」のフレーズがサンプリングされています。



新聞"Rock Around The World"で、Steviw Wonderは"I Was Made To Love Her"について次のように回想しています。
「そう、初恋の相手Angieって女の子に対して歌ってるんだ。彼女はとても美しい女性だったよ。」

さらに続けて、
「実際には、彼女は3人目のガールフレンドだったんだけど、初めての運命の人だったんだ。僕はよく彼女に電話して、『愛してるよ。君を愛してるよ』って感じにずっと話してね。二人とも受話器を持ったまま寝たりしてたんだ。デトロイトからカリフォルニアまで(の遠距離恋愛)みたいな感じにね。だから母親はこう言ってたよ。『ほら、何してるの。電話から離れなさい!』って。あの頃の自分に言いたいよ。それはバカげてるって。」

この曲でのStevieの素晴らしいボーカルを引き出すためのエピソードも存在しています。プロデューサーのHenry Cosbyは、Stevieを説得してデトロイトのBaptist教会へ彼を連れていき、説教師の真似をさせたそうです。そして次のステップは、Stevie自身が彼の信徒だと気付いてもらうことでした。「Stevieはスタジオに人がいることを求めていた。彼は人間の存在を感じないといけなかったんだ」とHenry Cosbyは語っています。「もし周りに誰もいないと、彼のボーカルは本当に最悪だったよ。僕は外に出なければいけなかった。スタジオの中に入ろうとする人々を止めるためにね。そうすると、Stevieは自分の存在を確認することができたんだ。一度僕たちがそれをやれば、彼はそういう感情を燃やすことができたんだよね。」

邦題は「愛するあの娘に」。


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