2016年9月24日土曜日

#29 The Supremes - Baby Love (1964)




"Baby Love"は1964年にアメリカの音楽グループThe Supremesがレコーディングし、モータウン・レコードからリリースされた楽曲。





モータウンを代表する専属プロデューサー・チームであったHolland-Dozier-Holland(H-D-H)がソングライティングとプロデュースを手掛けています。
この曲は1964年10月25日から11月21日にかけて、全米Billboardのポップ・シングル・チャートで1位を記録した他、全英ポップ・シングル・チャートでも同時に1位を記録しました。
20世紀末において最もポピュラーな楽曲の1つとみなされており、Rolling Stone誌による"The 500 Greatest Songs of All Time"では324位にランクインしています。

Ooh baby love, my baby love
I need you, oh how I need you
But all you do is treat me bad
Break my heart and leave me sad
Tell me, what did I do wrong
To make you stay away so long

'Cause baby love, my baby love
Been missing ya, miss kissing ya
Instead of breaking up
Let's do some kissing and making up
Don't throw our love away
In my arms, why don't you stay?
Need ya, need ya
Baby love, ooh, baby love

Baby love, my baby love
Why must we seperate, my love
All of my whole life through
I never loved no one but you
Why you do me like you do?
I get this need

Ooh, ooh, need to hold you
Once again, my love
Feel your warm embrace, my love
Don't throw our love away
Please don't do me this way
Not happy like I used to be
Loneliness has got the best of me

My love, my baby love
I need you, oh how I need you
Why you do me like you do
After I've been true to you
So deep in love with you

Baby, baby, ooh till it's hurtin' me
Till it's hurtin' me
Ooh, baby love
Don't throw our love away
Don't throw our love away

The Supremesが2曲目の全米1位を獲得できるような楽曲を求めていたモータウン・レコードのボスであるBerry Gordyに強く勧められて、H-D-Hがプロデュースを手掛けています。
"Baby Love"は、1つ前のシングル曲"Where Did Our Love Go"と基本的には似た作りになっており、Diana Rossがリード・ボーカルを務め、Florence BallardMary Wilsonが"baby-baby"のバックコーラスを、The Funk Brothersが楽器の演奏を担当し、ティーンエイジャーMike Valvanoの足踏みが再び取り入れられています。
さらにFlorenceとMaryが2人ともソロのアドリブを、曲の終わりの方で少し入れています。一方、この曲のリリース以降は、Dianaだけが1960年代のシングルのソロ・パートを全て担当しています。
1964年10月15日には、イギリスで初めてのテレビ・パフォーマンスを行っており、BBCの人気番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」に出演しています。



The Supremesはアメリカで5曲連続の首位を獲得することになるのですが、この曲が2曲目の首位獲得となり、4週間に渡ってBillboard Hot 1001位を獲得しました。また、全英シングルチャートでも、The Rolling Stonesの"Little Red Rooster"に1位の座を譲り渡すまでの2週間1位を獲得しました。さらにCash BoxマガジンR&Bチャートでも首位を獲得しています。
"Baby Love"の1位獲得によって、The SupremesはアメリカでのNo.1シングルを2曲以上生み出した初めてのモータウン所属アーティストとなりました。さらに60年代終わりには、モータウン所属アーティストの中で最も多い12曲の全米No.1シングルを獲得し、現在もその記録を保持し続けています。Stevie Wonderが現在10曲のNo.1シングルの記録を保持しており、2位につけています。

"Baby Love"はThe Supremesのセカンド・アルバム"Where Did Our Love Go"に収録されており、後に1975年にアメリカ映画"Cooley High"のサウンドトラックにも収録されました。
1965年のグラミー賞では"Best Rhythm & Blues Recording"にノミネートされましたが、Nancy Wilsonの"How Glad I Am"に敗れています。

さてこの曲"Baby Love"は、日本では安室奈美恵が2008年のシングル曲"NEW LOOK"でサンプリングしていることでもおなじみですね。



2014年にはThe Guardian紙による、当時The Supremesのメンバーの1人だったMary Wilsonへのインタヴューが行われており、その中でこの曲についてのエピソードが語られています。一部抜粋していきます。

https://www.theguardian.com/music/2014/jul/15/how-we-made-baby-love-the-supremes

「モータウンにいた初期の頃は、私たち以外のガールズグループはみんなヒットを出しているって感じだったの。私たちはショーを行って、人々は熱狂していたわ。だけど、オフィスの中では『ヒットのないSupremes(最高権威)』って認知されてたのよ。」

「"Where Did Our Love Go"をレコーディングして、それがヒットを記録して、全てが変わったわ。私たちのためのヒットの法則を、(プロデューサー・チームの)H-D-Hが一度見つけると、5曲連続で全米ナンバー1ヒットが生まれたの。"Baby Loveは私たちにとって2曲目のヒット曲であり、UKで初めてNo.1を獲得した曲でもあるの。("Where Did Our Love"の時と)同じように、私たちはこの曲を当時はちょっと可愛い曲だと思ってたけど、このアップ・ビートなフィーリングが、『恋人と離れたくないと懇願する』リリックとの間で、絶妙なバランス感覚を保っているのよね。これが、モータウンのやり方なの。音楽は美しいけど、言葉は人生や痛みの物語になっていて、人生がどのようにあるべきかを反映しているわ。この2つのコンビネーションが、モータウン音楽を永遠に記憶に残るものにしているのよ。」

「Holland兄弟はすべてをプロデュースしたわ。Eddieがリリックを手掛けて、Brianが音楽を手掛ける。Dozierは、いわゆるバック・グラウンドを多く手掛けてたわ。彼が("Baby Love"の)有名な"Oooooh oooooh"のイントロを思いついたのかもしれないわね。」

「"Baby Love"の特徴的なビートに合わせて、みんなフロアでステップを踏んだのよ。H-D-Hは周りにいれば誰でも自分たちの(音楽の)虜にしようとしていたわ。モータウンは、そういう本当にクリエイティブな環境だったの。ある日、ボスのMr. Gordyがこう言ってたのを覚えているわ。『9歳の神童がやってきた』って。そこにはスタジオであらゆる楽器を次々に演奏しようとする幼いStevie Wonderがいたの。9歳で盲目のね。モータウンはディズニーランドみたいなところで、そこにいると自分たちは特権を与えられていると感じたものよ」



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